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名刺博物館・特別寄稿エッセー

名刺博物館:その2
そ の

・・季 里・////

フリーウエイ


サニーカリフォルニアはどこにいったの。どうして今日も雨なの。現地の人から言われても私は答えられない。まるで私が雨男の様な問いである。俺は日本から雨を運んで来た犯人ではないのだ。

サンノゼは100年ぶりの異常降雨である。年が明けてから、150日余りになるが、120日近くも雨天である。もともと雨季は冬の12月から2月であるが、やはり今年は異常に雨が続いている。誰となく、何で、と聞きたくなる訳も解る。とりあえずAPPLEの人と会ったら、「シアトルからMSが雨を伴って攻めて来ているんだ」とか、「この平地と山を見よ、もともと大洪水などの侵食でここの地形は出来ているんだ」とか言うことにしている。たかだか数十年の変化で気象の異常を議論するのは、人間の身勝手と言うものである。

やはり傘を買おうかなと思うが、これから晴れるからと言う言葉に我慢を重ねる。もっとも店に傘を見かけない。雨でも、じめじめした感じは全くなく、風呂場のタオルも1日で乾いてしまう。晴れて乾燥していれば、性格も明るくなり、事業のストレスも消え失せ、起業家も育とうというものである。

ここアメリカでも名刺は大いに活用されている。ビジネスマンはほとんど持っている。一方、直接ビジネスに関係ない医者や大学教授などは名刺を所有していない。つまり、名刺は権威付けの意味はなく、情報ツールである訳である。名刺は、一般には千枚単位で印刷し、千枚の消費を焦っているように、気前良くばらまく。千枚もあると、使いきれない。あまったらどうする。地球環境はどうなる!と運動したくなる。アメリカのビジネスの仕組みとして、電話は個人に1台であり多少レイアウトが変わっても番号は変わらない。また、名刺に記述されている職場名もほとんど変わることがない。日本の様に第三営業部第二販売課課長などとは記述しない。「Sales Manager」としか肩書きを印刷しないのである。従って万年課長は万年使えるのである。

名刺の交換の仕方は日本と大いに違う。まずは力強く握手するのが基本である。大人数でテーブルについた後、名刺交換を忘れていた時などは、トランプの様にカードが飛び交う。まさに道路のフリーウエーの様に高速に名刺交換がなされる。

今、アメリカでもっとも売れている電子手帳はパームパイロットであるが、先日新しいパーム3なるのが発売された。これは名刺交換も出来ると言っている。出会った時、テレビのリモコンの様に向き合わせ、ピピピと名刺に書かれているようなデータを、交換するするらしい。

フリーウエー型高速名刺交換から、ピピピのデータ交換へ、そしていずれは握手しただけで名刺が交換出来るようになってしまうのであろうか。御札を授かる時の様な、あの日本の儀式はどうなるのであろうか。


名刺イラスト


(澤季里、Kisato Sawa:サンノゼ在住)


このエッセーは、毎週水曜日掲載・10回連載の予定です。お読みになった感想など御寄せいただければ幸いです。・・・名刺博物館管理者


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